世界平和を語らない自民党総裁候補者たち

イラクの北部、西はトルコ、東はイラン、その中間地域の山岳地帯に住むのがクルド人です。

彼らは自分の国を持たない民族です。

「国家を持たない最大の民族」と呼ばれています。

"Arbil, Iraq - November 9, 2007: Portrait of prayer beads repairman and his close friends sitting in a tea house.Prayer beads named as tasbih in Islamic countries. Being very common in Middle East, tea house is a venue centered on drinking tea, playing games and spending time among men."

先月8月の末に民放のドキュメンタリー番組で、日本に住むクルドの人びとたちのことが放映されました。

埼玉県の川口市に、現在およそ2,000人のクルド人が居住しています。

そして、そのほとんどが、主としてトルコでの迫害や弾圧を逃れて日本へやって来た人々です。

日本でも、決して安泰な生活を営んでいるわけではなく、「非正規滞在者」というレッテルでの暮らしです。

この人々の日本での生活や問題については、皆さんで知っていただければ良いのですが、私が気になることをひとつお話させてください。


最初に述べた、彼らの故郷のひとつとしてイランがあります。

イラン民族の言語はペルシャ語です。

そして、クルド人の母語もペルシャ語です。

ついでながら、ペルシャ語は英語やヨーロッパ諸語、そしてインド北部のヒンディー語と同族の言葉であり、イラクなど他の中東のアラブ語とは全く異なる家族に属しています。また、トルコ語もアラブ語やペルシャ語とは異なるウラル語族のひとつです。

つまり、インド=ヨーロッパ語族のクルド人たちは、ウラル語族を話す人たちの迫害を逃れて、今から約30年前ごろから川口市にやってきました。

そして、最も強く「世界平和」を謳うべき日本でも、さまざまな苦難に直面しています。

私はあえて申し上げます。「日本は世界のグローバリゼーションに取り残された残念な国家である」と。

日本の難民受け入れ体制などが後進国並み(あえて「後進国」という語を使うことをお許しください)であることが、その主な原因であり、クルド人の生活を困窮させ、その果てに、川口に住む日本の人々にも、さまざまな問題と苦悩をもたらしています。

キリスト教国、そしてユダヤ教国は侵略と殺戮という蛮行のまっただ中です。

彼らの「神」は、「殺せ」と言いますか?「愛せよ」と言いませんか?

現在、我が国日本では、自民党総裁選が超過熱状態です。

しかし、残念なことに世界平和に言及する候補者は「ゼロ」です。

さらに残念なのは、メディアもそれを求めず、人気投票のお祭り騒ぎです。

世界で唯ひとつの被爆国として、永久に戦争を放棄した国として日本にしかやれない平和への働きかけをするリーダーの出現。

私たち国民はそれをは待ち望むことはないのですか?

ならば、私たち庶民も同罪です。