警部!奴にはアリバイがありません。
刑事ドラマなどでよく耳にするこの表現。
誰でも知っていますね。「アリバイ」はなぜカタカナで?
理由は簡単。
この語が外来語だからです。
大正・昭和時代に広まった用語。
江戸川乱歩という有名なミステリー作家が広めたと言われています。
日本語になったこの単語は、英語由来です。
" alibi " と綴ります。
さしずめ、「現場(げんじょう)不在証明」とでも訳せるでしょうか。
固い表現ですね。
現代の私たちには「アリバイ」のほうが自然に耳に入ってきます。
この英単語、英語の直接の祖先であるゲルマン語由来でしょうか?
いえいえ、この語は英語話者にとっても外来語で、そのもとはラテン語なのです。
ラテン語の alius+ibi です。
[ alius = 他の+ibi = 場所に ] という構造です。
「アリバイ」の「アリ」や「バイ」がまるで日本語のような響きなので、この語を日本語だと思っている人は多いと思います。
これで、あなたの蘊蓄(ウンチク)がひとつ増えました。
ついでながら、日本語「蘊蓄」を使ったコロケーション;
「蘊蓄を傾ける」も覚えましょう。
これもまた、あなたの蘊蓄のレパートリーにしてください。
ラテン語という言語については、また別の機会を設けてお話しします。
英語には
母なるゲルマン語由来の語が
おおよそ20%しか
存在していないと
言われています